【湿度コントロール機能】 = 【調湿機能】
土蔵などに代表される【 土壁 】
柱の表面より五寸以上厚く塗った蔵造りは、昔の古文書などもカビが生えずに残っていたりします。
現代の住宅を考えてみると、押入れにしまった洋服・カバンにたったの数週間でカビが生えるなんてことは珍しくありません。
いったい何が違うのでしょうか?
土にもいろいろな種類がありますが、多かれ少なかれ、湿度をコントロールする能力が備わっています。これがさらに、分厚い集合体となった【 土壁 】であれば、そのコントロール能力はきわめて大きなものとなります。
土の調湿は、木の調湿と違っており、物理的な調湿能力となります。
湿気を湿気の分子のまま吸ったり吐いたりするので、そのスピードは速く、ダイナミックな気候の変動を瞬時にやわらげてくれるのが特徴です。
木舞下地からきっちり作った土壁は、地震時にも制振力があり、実は壊れにくいということもわかっております。
日本の湿度は、1日の中・1年の中で大きく変動します。
この気候風土を熟知すれば、快適・長寿命を実現するための役割を担うのが【 土壁 】であることは容易に理解できるのではないかと思います。
温故知新という言葉がありますが、ただ新しいものを求めていくと大きなミスも起こりやすく、現代ではその代償をいろいろな分野で払っている気がいたします。
なぜ【 土 】なのかを今一度、見直していければよいのではないかと思います。